「不適切な保育」青森県内5件 ガイドライン策定や通報義務化も人員確保が課題 保育現場の取り組みは
ATV青森テレビ 2023/5/15(月) 16:53配信
暴力など乱暴な関わりや家庭環境への配慮に欠ける関わりといった不適切な保育。国が全国の保育所を対象に初めて行った調査で900件以上、青森県内でも5件が確認されました。国が虐待に関するガイドラインを示す中、県内の保育所でのこどもを守るための取り組みを取材しました。
※小倉將信 こども政策担当大臣
「虐待等に関する通報義務など、児童福祉法の改正による制度的対応を検討することと致しました」
2022年静岡県の保育所で発生した虐待事件を受けて、こども家庭庁は去年4月から12月にかけて不適切な保育があったかどうか、全国を対象に初めての実態調査を行いました。
その結果、不適切な保育が確認されたのは914件で青森県では5件でした。青森県や市町村によりますと、このうち暴力など乱暴な関わりが1件、物事を強要するような関わりが2件、育ちや家庭環境への配慮に欠ける関わりが1件などとなっています。国は不適切な保育の考え方について新たなガイドラインを策定して、自治体に通知しました。
※認定こども園長坂保育園 川口司 園長
「うちとしてはこのガイドラインをチェックして自分のところに合わせたようなガイドラインやチェックリストなりを作ってみようかと思いました」
八戸市にある認定こども園では155人の子どもたちに対して、27人の保育士が対応しています。不適切な保育を防いで、子どもたちを守るためにできることのひとつとして、1クラスに複数の担任を配置しています。
※認定こども園長坂保育園 川口司 園長
「子ども2、30人に保育士1人だっていうのはとても辛いんですね。複数担任にもそうなんだけど、職員同士がコミュニケーションを取ることが絶対必要だと」
多くの保育所でもこうした取り組みは導入していますが、一方で人員の確保が大きな課題となっています。
※認定こども園長坂保育園 川口司 園長
「何か事件があるたびに書類が増えていく、普通は新しいものが増えたら古いのを捨てるっていう考えなんですけども、保育の世界はそうなっていない。そういうのも含めて考えていただきたいなと」
子どもたちを取り巻く状況が浮き彫りとなり、ガイドラインの策定や法律の改正による通報の義務化が示される一方、保育現場の実情を行政側も把握した対応が必要となります。